2月に入ってからクロス円の下落材料が多いのかなという印象です。ギリシャをはじめとするユーロ圏一部の国の財政問題、英国の格下げ懸念などなど……。
特に、ギリシャなど「PIIGS」に関する問題は今週も注意が必要ですね。
PIIGSとは
「PIIGS」とは、ポルトガル(Portugal)、アイルランド(Ireland)、イタリア(Italy)、ギリシャ(Greece)、スペイン(Spain)の頭文字をとった略語です。
これらの国々の共通点、それは財政破たんへの懸念を持たれていること。それぞれGDPと比較して財政赤字が高くなっていて、ギリシャはGDPの12.7%、アイルランド15%超、ポルトガル8%、イタリア5%、スペイン9.8%になると見られています。
これは、EUが加盟国に義務付けている「財政赤字をGDP比3%以内に抑える」を大きく上回っており、かなりよろしくない状況だと言えるでしょうね。
EU首脳会談、ギリシャ救済で同意したものの・・・
11日のEU首脳会談でギリシャ問題について話し合われ、EU首脳はギリシャ救済で同意しました。
しかし、具体的な救済案は何も発表されず、ギリシャ問題が解決しそうなかんじはしません。
本日おこなわれるユーロ圏財務相会合でもギリシャ問題について話し合われると見られていますが、具体策は出てこないだろうという予想です。
早期解決はできるのか?
では、ギリシャ問題が片付いたらそれで終わりかというとそうではありません。
当然「PIIGS」の他の国はどうするのかということがありますし、「PIIGS」以外にも危うい国があります。それを考えると、この問題は長期化しそうですね。
私たち為替相場で戦っている人間が注目したいのは、仮にギリシャ救済の具体策がでたとして、それが他の国にも適用されるものなのかということ。
ドイツやフランスといったユーロ圏主要国の財政状況もあまり良いとは言えない状況で、すべてを救済できるのだろうかと。そんな懸念がある中で、全部助けますと言ったところで、PIIGSについての懸念は払しょくされないんじゃないかと個人的にはそんな気がします。
為替で注意したいのは
「PIIGS」はユーロ圏の国のことだからユーロにだけ気をつければいいのかというと、そういうわけにもいきません。
というのも、ギリシャ経済がダメになった時に芋づる式にクローズアップされそうなのが英国やトルコといった国々。
ポンドやトルコリラはFXで取り扱っている通貨なので、そうなると当然急落となってしまうでしょう。
特に、トルコリラはスワップ金利が高く、トルコリラの買いポジションを持っている人が多いと思うので、気をつけるようにしたほうがいいと思います。