FXでナンピンはしてはいけないことなのか

FXでナンピンはしてはいけない。

よく言われていることです。でも、一概にしてはいけないとは言えません。

というか、同じ行動でも、考え方やそれまでの過程でナンピンだとも、そうでないとも言えるので、そのあたりを一度定義付けしてから考えると良いんじゃないかと思います。

ナンピン(難平)とは

ナンピン(難平)とは、保有しているポジションと逆方向に相場が進んだ際に、購入レートの平均値を上げる(もしくは下げる)ことです。

FXの場合は売りも買いもあるので難しく聞こえますが、売りポジションを持っている場合は高いところで売りポジションを追加、買いポジションを持っている場合は低いところで買いポジションを追加して、平均購入レートを有利にするということになります。

例えば、ドル円を84円で1万ドル買った。その後下落して83円になった時に1万ドルを追加する。そうすると、合計2万ドルのポジションで平均購入レートは83.50円になり、最初に買ったレートから50銭低くなります。

メリットは、平均購入レートがより有利になることです。上記の場合だと、最初に84円で買いましたが、この後に83.50円まで上昇すれば損益はプラスマイナスゼロになりますし、当初の84円まで戻せば50銭分の利益となります。

これだけを聞くといいことのように感じますが、そうではありません。数字のマジックが潜んでおり、デメリットもあります。そのデメリットから、ナンピンはしてはいけないと言われるのです。

FXでナンピンをしてはいけない理由

デメリットは、取引口座の状況は改善しない、むしろ悪くなることです。

平均購入レートが有利になったことで取引口座の状況も改善したように感じます。実際に、ポジションを追加してから思ったとおりの動きをしてくれると有利になります。でも、ナンピンはポジションを追加することになるので、さらに予想と逆方向に相場が進んだ場合、当初よりも含み損が増えるスピードが早くなります。

上記の例では、最初に84円で1万ドルのポジションを持ちました。1円逆に動くとマイナス1万円になります。83円で1万ドル追加しました。合計2万ドルになるので、そこからさらに1円下げると、マイナス2万円になります。

他の投資と違ってFXで注意したいのは、レバレッジをきかせることでロスカットがあること。

上記例の取引を10万円の証拠金でおこなっていた場合、84円で買った時点ではロスカットレベルは約79.4円です。でも、83円でポジションを追加した時点では、ロスカットレベルは約81.9円となり、ロスカットまで約1.1円しか余裕がなくなります。

ポジションを追加することは悪いことではない

一般的にナンピンと呼ばれるものは、考えなしにポジションを追加して平均購入レートを有利にすることだと思います。「ここから上昇に転ずれば、元に戻った時に利益が出るじゃん」と、いいことだけを考えてポジションを追加する。それは避けたほうがいいと思います。

ただし、あらかじめ立てた計画のもとでポジションを追加することは有効です。

ドル円はまだまだ上昇しそうだが、買うなら下げたところで買いたい。欲を言えば82.50円まで待ちたいが、最近の値動きを見ているとそこまで下げないかもしれないから、取引量を半分にしてまず83.20円で買おう。そのまま、82.50円まで下げるようだと半分を追加するけど、82円を割ったらすべて損切り。

このように追加することを想定して、ポジションを分散するのであれば戦略的に有効だと思います。82.50円まで待つ場合に比べて平均購入レートは高くなりますが、そこまで下げずに上昇した場合でも利益を得ることができますからね。

ナンピンをおこなうポイント

ポイントは、「ポジションを小分けにすること」「損切りラインは最初の段階で決めておくこと」です。

ポジションを小分けにしておけば、追加しても通常の取引量になりますから、想定外に大きな損失になることは防げます。また、損切りラインを最初の段階で決めておくことでも、同じように想定外の損失にはなりません。

一方で、レバレッジがきくFXでは傷口をさらに広げるおそれがありますから、損失を回避したいという考え方でのポジション追加は避けましょう。

FXで考えなしにナンピンはしてはいけません。ただし、あらかじめ戦略を立てて、計画的におこなうのであれば、有効な手段となります。