米ドル円や豪ドル円が初心者向けだと言われます。実際のところどうなんでしょうね。
FXをやったことのない人、初心者の方に向いている通貨ペアは何だろうかと考えてみました。初心者向けのFX書籍で、米ドル円や豪ドル円がおすすめだと言われている理由を考えると良いのかなと。
流動性が高い
まずは、流動性が高いこと。流動性が高いと、投機的な動きは少なくなります。予期せぬ動きが少なくなるので、初心者の方は取り組みやすいと思います。
流通量が少なすぎてFX業者が取り扱いをやめるということもありません。めったに起こらないことですが、絶対に起こらないとは言えません。過去、アイスランドクローナのように取引中止されたものがありましたし。
米ドルやユーロ、豪ドルなど主要通貨ペアの場合は、取り扱い中止というリスクはまずないでしょう。ただ、マニアックな通貨ペアを取り揃えているFX業者もいますから、スワップポイントが高いからとか、著名人がすすめていたからという理由でトレードするのはやめたほうが良いですね。
荒すぎず乏しすぎず、値動きがほど良い
値動きがほど良いこと。ほど良いというさじ加減が難しいですが……。
値動きが荒い通貨ペアはリスクが高くなるので、最初は避けたほうが良いでしょう。一方で値動きが乏しすぎるものも取引しづらいです。
為替レートの変動で利益を狙う場合に、値動きが乏しい通貨ペアだと難易度が上がります。1円の値幅の中で10銭を狙うのと、20銭の値幅の中で10銭を狙うこと。どちらのほうが簡単かというと、前者ですよね。
値動きが乏しいぶん、為替変動リスクは低くなります。しかし、リターンを狙いづらくなります。そもそもFXはリターンを狙ってやるものなので、狙いづらい通貨ペアは避けたほうが良いと思います。
対象通貨の情報量が多い
情報量が多いことも条件かなと。どれぐらいの情報量を入手できれば良いかというと、経済指標予定や結果、要人発言がわかるぐらいです。最低限、その国の主要経済指標の予定や結果がわかることは必要だと思います。
個人的にトレードをする際にファンダメンタル情報も必要だと考えているので、情報を仕入れづらい通貨は厳しい。チャートを見てテクニカル分析でトレードする場合でも、リスクを避けるためにその通貨の情報を入手する必要があります。
その国のホームページに見に行けば情報を入手できるのであれば良いのですが、欲を言えばリアルタイムマーケットニュースで流れてきて、見に行かなくても取引画面内で見ることができれば言うことありませんね。
米ドル円、豪ドル円は初心者向け?
上記の条件を踏まえた上で、米ドル円や豪ドル円はFX初心者向けと言えるのか。
2通貨ペアとも主要国通貨ペアなので流動性の高さは問題ありません。仕入れることのできる情報量の多さも問題ないでしょう。残る値動きについては、ともにう~ん……という部分があります。
以下、2012年に入ってからの主要クロス円の1日の変動幅を一覧にしてみました。
通貨ペア | 変動幅(円) | 変動幅(%) |
---|---|---|
米ドル円 | 0.55 | 0.69% |
ユーロ円 | 1.09 | 1.07% |
豪ドル円 | 0.92 | 1.12% |
ポンド円 | 1.18 | 0.94% |
NZドル円 | 0.75 | 1.18% |
加ドル円 | 0.79 | 1.00% |
ランド円 | 0.14 | 1.39% |
他のクロス円に比べると、米ドル円は一番値動きが乏しいですね。スプレッドが狭いので、数銭単位のスキャルピングなら良いのかもしれませんが、ある程度の値幅を狙うのであれば、この変動幅は難しいと思います。
一方で、豪ドル円を見てもらうと、パーセンテージではユーロ円やポンド円よりも豪ドル円のほうが変動幅が大きい。値動きが荒いわけではありませんが、他の通貨よりも動きが緩やかというわけではありません。
米ドル円は初心者向けと言いづらいですね。豪ドル円は取り組みやすいとは思います。
でも、値動きや情報量の多さ、流動性の高さを考えると、ユーロ円も同様。そう考えると、特別豪ドル円が初心者におすすめということはないかなと。