FXには様々なリスクが存在します。その中には、あらかじめ軽減できるものもあれば、そうではないものもあります。いずれにしろ、まずはリスクをきちんと理解することが大切です。
FXのリスクは、大きく3つに分類できると考えます。「為替のリスク」「証拠金取引のリスク」そして「FX取引特有のリスク」です。今回はその中の「為替のリスク」について考えていきます。
FXを含む外貨建て商品共通のリスク
「為替のリスク」つまり、FXに限らず、外貨預金など他の外貨建て商品にも言えるリスク。思いつくのは大きく次の3つ。
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- 信用リスク
外貨投資をする上でどれも影響することなので、トレード前にきちんと理解しておきましょう。
為替変動リスク
為替レートが変動することで損失を出す恐れがあります。為替変動リスクは、誰に聞いても知ってるよと言うでしょう。為替の値動きを利用して利益を狙えるから投資として成り立つわけで、逆にいけば損をするというのは自然と理解できるはずです。
為替変動リスクに対処するためにはどうすれば良いか? あらかじめ損切り注文を設定して万が一の場合に損失を限定することです。
様々な分析・手法をおこなうことで確率を低くすることはできますが、リスクの軽減にはなりません。
金利変動リスク
為替レートと同様、金利も変動します。金利が動くということはスワップポイントが変わってきますから、受け取れるスワップポイントが少なくなったり、逆に支払うスワップポイントが増えてしまったりします。
各国の金利が低い現在の相場では、金利差で受け取れるスワップポイントによる収益を狙ったトレードをしている人は少ないかもしれません。ただ、スワップポイント狙いのトレードを行う場合、受け取れるスワップポイントが少なくなる可能性を考えておく必要があります。
取引ができなくなる信用リスク
信用リスクは様々なことを意味しますが、ここでは通貨ペアの取扱いが中止されることで取引ができなくなるリスクのことを言います。
「そんなことがあるの?」と思うかもしれませんが、あるのです。実際にアイスランドクローナが財政破綻危機のためFX業者が取扱いを停止、取引ができなくなりました。
アイスランドクローナは金利が10%超と高金利通貨だったので、スワップ派の人たちに人気がありました。確かに10%超の金利は魅力的ですが、マイナー通貨にはFX業者が突然取扱いをやめてしまい、含み損があろうと決済して取引を終了しなければならなくなる可能性を考えなければいけません。
為替のリスクで気をつけること
共通して言えるのは、トレード開始時にこのリスクと期待できるリターンのバランスを考えること。「為替のリスクをとらないようにする=FXなど外貨建て商品に投資しない」のいうことになるので、FXをおこなう前提で考えるとリスクをとらないわけにはいきません。
為替や金利の変動リスクについては、年初来安値や市場最安値など下がり得るレートでの計算上の損失と、期待できる為替差益、スワップポイント益を比較してトレードするかを判断します。
取引ができなくなる可能性がより高くなるマイナー通貨については、いつまでに利益が出そうかという期間も想定しなけばいけません。
特にマイナー通貨に関しては、入手できる情報量も乏しいために見通しを立てることも難しく、個人的にはいくら金利が高かろうと取引は避けています。