世の中には、業界・ジャンルによって同じ用語なのに内容は違うものがあります。
投資の世界では、注文方法がそれに当たるのかなと。ですから、投資の経験はあるけど、FXは初めてという人は、念のため再確認しておきましょう。
話がかみ合わず……
実体験として、株式投資経験者との話でかみ合わないことがありました。
会社の財務部門にずっと証券業界にいた方がいらっしゃって、喫煙所で立ち話している時のこと。話のネタと、取引に役立つことを教えてもらえたらなという下心で、FXをやってるんですという話をしました。
普通に相場の話をなるほどと聞いていたのですが、なんか取引の仕方の話になると「……?」ということがあって。株式投資は板方式なので、なんか違うところがあるのかなとモヤ~と思いながら、その場はとりあえず聞いていました。
後で調べてみたところ、逆指値は同じなんですが、指値注文の定義が違うようです。
FXの指値は指定価格で
FXの指値注文は、指定レートをつければ約定します。
例えば、1ドル=78円の場合。
77円に買い指値を入れておくと77円、80円に売り指値を入れておくと為替レートが80円をつけた場合に注文が執行されます。
また、FXの指値注文の場合は、現在のレートより有利なレートでしか指値はできません。不利になるレートを指定する場合は、逆指値注文になります。
逆指値注文の場合は、指定レートより不利でも約定を優先します。つまり、上の例で80円に買いの逆指値を入れておくと、スリッページで81円に値がとんだ場合は81円で約定ということに。
株式投資の指値は指定価格より有利だと
株式投資の指値注文は、指定価格より有利な価格だと約定します。
例えば、1ドル=78円の場合。
77円に買い指値を入れておくと77円以下、80円に売り指値を入れておくと80円以上で注文が執行されます。
FXと変わりないように思います。ただ、指値注文の指定価格に制限がないので違いが出るのです。FXの指値注文は、現在価格よりも不利な価格を指定できませんが、株式投資はできます。
1ドル=78円の場合でも、80円の買い指値を入れることが可能です。その場合にどうなるかというと、現在の78円のほうが指値に指定した価格よりも有利なので78円で約定します。
指値と逆指値の入力が別々の取引システムなら現在より不利なレートで指値が入れれないので、その時点で気づけます。でも、指定したレートによって指値・逆指値が勝手に変わる取引システムのFX業者があるので、そういう場合は混乱するかもしれませんね。
株式投資でいう指値のつもりで入れたのに、約定せずに逆指値の形で約定してしまったというケースが起こりえます。
わかっているという意識は捨てる
株式投資経験者で、思惑と違う形で注文が約定してしまったという経験があるのかなと。それって、FXをはじめる時に確認しておけば防げること。それこそ、デモトレードで色々な注文を試しておけば気づけますよね。
自分はまったくの未経験者と違ってわかっている。この意識を捨てるという一言に尽きるんでしょう。
私は初めての投資がFXだったので、逆に他の投資をおこなう際に気をつけないといけません。という自戒をこめて。